開発・製造事例
軸受けケースカバー(ABS)
製品名称 軸受けケースカバー
材質 ABS
サイズ Φ80 × t2.5
業界 自転車・バイク
工法 単色成形
備考
こちらは自転車・バイク業界向けに製造した、サイズΦ80×t2.5mmの軸受けケースカバーの加工事例です。材質には透明のABS樹脂を使用し、単色成形にて製造しております。
本製品は、組み立て工程において他の部品と溶着させる仕様であり、確実な密着性を確保するために「平面度0.05以下」という非常に厳しい寸法精度が求められました。プラスチック成形において平面度や真円度を悪化させる主な要因には、ウェルドラインの発生や成形時の残留応力、ガスによる充填阻害などが挙げられます。
これらの課題を解決し、要求される平面度を実現するため、当社では金型構造と成形プロセスの両面からアプローチを行いました。まず金型構造として、平面度の悪化や歪みの原因となるウェルドラインを発生させないよう、製品中央の穴を利用してディスクゲート(円盤状のゲート)を配置し、樹脂を放射状に均一に流動させる設計としました。さらに、このディスクゲートを金型内で自動的に切断する「型内ゲートカット」を採用することで、後処理の工程をなくし、切断面もきれいに仕上げています。
次に成形プロセスにおいては、成形機の機能をフル活用した特殊な制御を行っております。金型のパーティングライン(PL)周囲にOリングを設けてキャビティ内を真空引きし、ガスを強制的に排出することで樹脂の充填抵抗を下げました。そして、成形機の特殊マルチトグル機構を利用し、初期の型締め力を0t(完全に押さえつけていない状態)に設定して樹脂を注入します。樹脂の圧力で金型がわずかに開くタイミングに合わせて、射出の途中で段階的に必要な型締め力まで締め上げていくという高度な成形技術を用いています。