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2色成形(二色成形)とは

2021.04.26

わたしたちの生活には、パソコンやスマートフォン、リモコン、ボタン、キーホルダーなど数えきれないほどのさまざまな製品が登場します。存在が当たり前になっているリモコンやスマートフォンなども、一体どうやって作るのか、と聞かれたら返答に困るのではないでしょうか。

「成形」は製品を作る方法のうちの1つです。読んで字のごとく、「形を成す」ことを指していますが、これにはさまざまな種類があります。それらの成形方法の中で、多く使われているのが「射出成形」と呼ばれるものです。本記事では、射出成形の得意なことや、2種類の材料を射出成形し1つの製品にする「2色成形」という技術について取り上げます。

製品を成形する「射出成形」とは

製品を成形するには、さまざまな方法があります。例えば、プラスチックの棒やパイプのような連続した同じ形状のものは、ところてんのように型から押し出す「押出し成形」が適しています。プラスチックのシートやフィルムを作る際は、2つのロールを回転させて板状に押し出す「ロール成形」がふさわしいです。また、ペットボトルのように中が空洞のものを作るためには、溶けたプラスチックの筒に空気を入れて膨らます「ダイレクトブロー成形」といったものもあります。

そして、複雑な形の製品を作りたい場合は、注射器のようなもので溶かした材料を作りたい型へ押し出し、冷やして固める「射出成形」が適しています。成形のなかでもっとも多く使われているのが「射出成形」です。射出成形は、ほかの成形方法よりも成形の自由度が高いのが特徴です。作りたい型のことを「金型」といい、これはさまざまな形に対応できます。この金型は高価にはなりますが、生産のサイクルが早いため量産に適しており、大量生産の際は高い費用対効果を得やすくなっています。

2つの異なる材料を組み合わせ、1つの製品にする「2色成形(二色成形)」とは

1つの材料を射出成形することを単色成形といいますが、2つの異なる材料を組み合わせ、1つのものとして成形するのを「2色成形(二色成形)」といいます。ダブルモールド(2つの金型)とも呼ばれています。例えば、以下のようなものを組み合わせることができます。

  • 各種プラスチック
  • 熱可塑性エラストマー
  • 熱硬化性エラストマー
  • ポリプロピレン
  • ポリアセタール
  • ポリ塩化ビニル
  • 熱硬化性エラストマー

射出成形機には2本のノズル、シリンダーがあり、1次型、2次型へ順番に射出します。2つの材料を組み合わせるため、1次型へ射出した後、2次型へは180度の回転や反転、スライドをするような工程が加わるのが大きな特徴です。

2色成形では多機能なものでも1つの工程で作ることができるため、これまでは手作業だった組み立ての工程を大幅に削減し、生産性を高めるといったことも可能です。複雑な形の製品でも、不良品の率を下げることもできます。また、単色成形では必要ない箇所にも含めなければならなかった高機能な材料(特殊グレード)を、2色成形では必要な箇所に必要なだけ使うということも可能になり、コスト低減にもつながります。2つの材料を射出成形機で組み合わせるため、密着性が向上し、接着剤を使わなくて済むようになり、コストと環境面のどちらにおいても優れています。

さらに、パーツの外観をアレンジすることで見栄えをよくすることも可能です。透明な樹脂と組み合わせることで、キーボードやリモコンのボタンのように、一部だけ光を通すような製品をつくることもできます。また、プリントでは文字や記号、その他でのデザインが時間がたつにつれかすれてしまう場合も、1次型で文字や記号、2次型で周囲を成形し、プリントから脱却することでかすれを防ぐことができます。1次型で成形したものを2次型で包み込むような設計にすれば、中身を封止できるため気密性を上げることも可能です。シーリング以外にも、組み合わせによっては衝撃を吸収したり、振動を減らすような効果を狙うこともできるでしょう。

このように2色成形にはさまざまな利点がありますが、機械の操作方法や温度コントロール、金型の構造や流体力学、熱力学への理解、材料や品質の適切な管理方法や接着方法など、多岐にわたる知識が求められます。溶接できない、不良品が多々発生してしまう、表面が荒れてしまう、ということが起こりえるため、成形には専門的な知識が不可欠です。

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